國立故宮博物院 National Palace Museum (New window)

:::タイトル:展示概要

文伯仁(1502-1575)、字は徳承、号は五峰。江蘇蘇州の人。読書人の名門出身で、邑庠(各県に設置されていた学堂)で学びましたが、後に科挙をあきらめ、画業を生業としました。当時、蘇州芸苑を風靡した大家文徴明(1470-1559)の甥にあたります。そのため、青年期の学問と画芸に関しては、蘇州地方の伝統や文徴明の影響を強く受けました。中年以降は北京や南京、松江など各地を遊歴し、文派の画風を他の地域へと伝える重要な担い手となりました。

文伯仁は、文徴明の画風を学ぶ後輩や学生の中でも抜きん出た才を発揮して独自の画風を築き、文徴明の緻密な画風をより謹厳精緻なものへと発展させ、巧緻な用筆と着色、工夫を凝らした構図などで、鬱蒼と生い茂った清らかな山林の風景を表現しました。その作品からは文派特有の静けさと気品が感じられ、元代四大家の一人である王蒙(1308-1385)としばしば比較されます。

この度の展示作品の多くが山水画ですが、各地の風景や書斎名に関連した作品も少なくなく、蘇州15世紀以来の名勝や個人の別号を画題とした絵画作品の隆盛を示しています。作中に描かれた絶景を見ると、16世紀蘇州地方における画風の発展はもちろんのこと、文派第二世代の重要な画家である文伯仁の画芸の巧みさもよくわかります。