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展示概要

生命力溢れる色鮮やかな花々や鳥たちを見た人々は、その姿を図像や模様にしたいと考えました。早くも商(殷)周時代、花鳥は器物の装飾にとって大切な模様の一つになっていました。唐代になると、絵画の技法もしだいに成熟し、「花鳥画」は一つのジャンルとして確立されました。五代には花鳥の表現技術もさらに多様化して一層豊かなものになり、成熟期に入りました。宋代は花鳥画が大きく発展し、実際の様子を忠実に描く写生画が大いに流行しました。元代には文人画というジャンルが登場し、花鳥画もその影響を受け、平淡な味わいの水墨画が描かれるようになりました。明代から清代にかけては、前代までに培われた様々な画風を継承しつつ、「写意」による花鳥画が盛んに描かれるようになりました。歴代の花鳥画家たちが自然と対話し、卓越した画技をもってその思いを表現する中で、多種多彩な作品が誕生したのです。

花鳥は絵画だけでなく緙絲(絹織物)や刺繍でも好まれた題材の一つです。緙絲と刺繍の歴史は古く、もともとは衣服の装飾でしたが、技術の発展に随ってより美しいデザインが求められるようになりました。職人たちは絵画を参考にすることもあれば、絵画をそのまま下絵にすることもあり、見事な刺繍の技術と熟練の織技によって花鳥画の世界を再現しました。宋代以降は観賞用の緙絲と刺繍作品が作られるようになりました。絵筆のように絹糸を使った織物と刺繍には工芸技術の粋が見られます。

国立故宮博物院所蔵の花鳥作品は質量ともにすばらしいものです。この度の特別展では、「生命感溢れる花鳥」、「装飾の美」、「構図の妙趣」、「花鳥と寓意」、「技芸の妙」─五つのコーナーに分けて作品を展示いたします。芸術家の創作理念や作品中の構図と配置、絵画に込められた寓意、作品が象徴する意味など、複数の視点から花鳥作品の特色や芸術上の成果をご覧いただきます。このほか、絵画や緙繡、漆箋、古書の版画などもあり、これらの作品と絵画の関わりについても合わせてご覧になれます。花鳥をモチーフとした美術品の多元性をより深く理解していただけるでしょう。

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