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小時代の日常――十七世紀から見た生活への提案

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展示概要

本展覧がテーマとする小時代とは、今から四百年ほど昔の十七世紀のことです。それは様々な可能性にあふれた興味深い時代でした。現代の物質文化の研究から観察したとき、東西交流においては探検家が未知の世界に向けて航路を開拓した時代であり、中国江南の名家文人の生活に視線を移すと、彼らの平淡ながらも質にこだわった格別な日常が見えてきます。本展覧は十七世紀の小資産階級の「文青」(文芸青年)であった文震亨(1586-1645)の『長物志』に焦点を当て、同書がまとめた「書画」と「器具」の二章を主軸に、当博物院の収蔵品が秘める人文的な脈絡を新たに掘り起こすとともに、古人がモノを鑑賞した細かいポイントについて探索します。そこから彼らの交遊の繋がりをも明らかにし、古物鑑賞の気風が日用品に広がっていった側面をたどりながら、古人の“身外之物”(身体以外の物)への接し方から、現代人とモノとの関係の意義を顧みます。

本展覧は四章から構成されます。第一章「文震亨と長物志」では、善本古書と書画の作品を通じ、文震亨の出自と交遊、及び自身の鑑賞指南を著した『長物志』の出版と流通についてご紹介します。第二章「文青的趣向」では、文震亨を代表とする古代文人が日常的に触れていたモノ、その鑑賞基準についてご覧いただきます。第三章「可用のモノ」では、収蔵者の標記が入った文物を文震亨の鑑賞ポイントと照らし合わせ、収蔵品の類別とモノへの接し方についてご紹介し、第四章「百貨聚珍」では、物流の普及に伴って各種倣古品や新しい商品が続々と登場し、名家の標記や特定の工房が流行の一端を担うまでに至った経緯を紐解きます。

どの時代にあっても、時間の流れとともに新たな変化や新しさがあり、私たちの参考や手本になるところがあります。テンポの速い慌ただしい日々を送る現代人もまた、常に様々な新しいこと、古いことに触れています。そんな日々のなかにあって、日常的に必要なモノはさておき、自分にとってなくてはならないモノとは何かを考えたことはあるでしょうか?本展覧は、古人が身分の象徴としてのモノをもって仲間か否かを見定めていたことをご紹介していますが、同時にキュレーターがこれらの文物を読み解くなかで、観覧者に自適で雅やかな生活の提案をするものでもあるのです。

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