展示概要
人生の深い味わい—玉白菜
一般食材である「白菜」は、宋の時代(960年〜1279年)から、芸術の題材として取り上げられるようになりました。芸術家達は、虫の痕跡をあえて残す事で、生命の躍動感や自然と共存するあり方を描き出しています。また「白菜」という題材は、見る者に「飽食」・「質素倹約」と言ったイメージを与え、例えば君主には「民に飢え苦しみのない生活を」、知識層には「利得に溺れず、心の充足を愉しむ」などと言った理念をもたらしました。そして翠玉白菜の素晴らしさは、職人の「無駄な物は無い」とする気概と、高い技術にあります。玉の瑕疵や、見事なまでに分かれた緑と白を、その巧みな技術で余すことなく利用し、特に真っ白で雪のような白菜の茎は、花嫁のような純潔・清廉さで、まるで一家の安泰を祝福するような神秘的な輝きを放っています。
「南北故宮 国宝展」一般的な食材でありながら多彩な美を表現する「白菜芸術」を通し、お客様に人生の深い味わいをお届け致します。