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展示概要

チベットに仏教が伝えられたのは7世紀頃で、すでに1300年を超える歴史があります。チベット仏教はインド後期の大乗仏教の特色を継承しているのみならず、中国仏教の要素も一部に取り入れています。加えて、チベット高原に伝わる信仰とも結び付き、今日の民族色豊かなチベット仏教文化が次第に形成されました。この信仰はチベット民族が暮らす地域だけでなく、中央アジアや南アジアなどの地域にも広く影響を与えたほか、中原を統治する王朝にも伝えられました。元王朝のモンゴル人は西夏の影響を受け、チベット仏教を主要な信仰として受け入れました。明代になると、明代初頭の成祖と宣宗、中期の憲宗と武宗など、漢族の皇帝とチベット仏教の高僧が密接に交流するようになりました。清代には、ゲルク派が満州族とモンゴル族、チベット族が共通して信仰する教派となりました。そのため、本院が所蔵するチベット仏教文物は清代の作品が多くを占めていますが、元代と明代の宮廷コレクションや内府御製の典籍や仏像、器物なども少なくありません。この度の特別展では、チベット仏教に関する文物─経典や仏像、タンカ、法器などを展示します。中国に伝えられたチベット仏教芸術特有の風格がおわかりいただけるでしょう。

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