展示概要
「銷夏」は「消夏」とも言われ、清雅な行いや催しをすることで夏の暑さをしのぐことです。現代人はエアコンを使ったり、氷菓を食べたりして涼を取りますが、まだ電気がなかった時代、古代の人々はどのようにして長い夏を過ごしていたのでしょうか。
うだるような夏の暑さの中、農民たちは汗水たらして菱の実や蓮根を収穫し、文人たちは静かに心を磨きつつ、書物の校勘や書画の鑑賞を楽しむなど、この時期は君民ともに端午の節句を祝いながら楽しく過ごしました。夏は単にその気候や気温を体感するだけでなく、労働や余暇、祭日が織り成す暮らしのリズムでもあります。
本展では、「食・衣・住・行・育・楽」などの面から、古代の多様性に富んだ夏の世界へとご案内します。薬草の爽やかな香りや龍舟競渡のにぎわい、ライチーなどの果実の甘さ、氷に覆われた山々や水辺の寒さ、夏用の葛衣や蓆の質感なども感じていただけます。
古代の人々の「銷夏」は単なる避暑や納涼ではなく、その時期の気候に合わせて体調を整えながら生活する─暮らしの智慧や価値観も含まれています。例えば、皇帝は避暑を楽しんでいる間も、政務を忘れないよう気を引き締めていました。扇を開閉する動作は「進退の時期を知る」─処世の道にも喩えられます。展示作品をご覧になりながら、古代の人々の美意識や智慧を参考にして、夏の猛暑も涼やかな気持ちで過ごしていただければと思います。