國立故宮博物院 National Palace Museum (New window)
 
 
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中国の青銅器時代は夏の晩期(約紀元前17世紀初)から始まり、殷・西周・東周を経て、前後一千五百年ほど続きました。秦・漢以後は、鉄器が使用されるようになりましたが、銅器はやはり従来のしきたりのまま使われ、変わることはありませんでした。

当時、貴重な青銅器は貴族のみ、使うことができました。所謂、「国の大事は祀と戎に在り」なのです。青銅は兵器や楽器のほかは、主に祭祀用の容器に鋳造され、供物を入れて祖先を祭り、家族の末永い繁栄を祈りました。また、祭祀を行う際に置かれる礼器の数の多さが、貴族の身分と階級を象徴したのです。銅器は殷・周の貴族社会の中で最も重要な礼器だったのです。

殷・周の時代(1600-221B.C.E)は、中華文化を確立する重要な時代でした。政治面では、政教一致により、礼教と人文意識に目覚めました。物質面では、青銅鋳造の発達により、礼器・兵器用の新紀元が切り開かれ、また工芸技術の突破は、様々な産業の興隆を促しました。精神面では、国の大事である「祀」と「戎」について、銅器の形を通して、神や祖先に対する畏敬の念と心霊との疎通を託しました。また「銘文」を刻み、当時の祭饗、征伐、恩賞、冊命などの情況を記録しました。

青銅文明は鐘・鼎・彝器の「礼と楽」でほめ讃えられ、功をなしとげ祖先を祭る「祀と戎」で賞賛されました。周人が鋳造し紀銘した「其命維新」および「郁郁周文」には、東周の絢爛と賑わう新段階から、秦・漢の統一に至るまで、銅器は次第に礼制の中心から退いてはいくものの、むしろ一種の典型的なものへと転化し、更に深層な思想や文化の薀蓄も加わり、中華文化の美は、この一つ一つの器物の間にあって、広大且つ精緻を尽くし、きわめて高明に中庸を語っているのです。

 
殷後期 乃孫作祖己鼎 (New window)
殷後期 乃孫作祖己鼎
故銅2343
高さ81.8cm
 
     
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