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陶器と磁器はいずれも土と水をこね合わせ、成形、焼成により作られる器類です。土の物理性と化学性を変える陶磁器の製作は、人類が自然資源を利用した重要な発明であり、今日に至っても製作され続けています。
陶器を作るための土は入手が容易である上、それほど高い温度でなくても焼成することができるため、世界の各古代文化圏の多くが製陶技術を持ち、各々の特色を備えています。陶器の胎(素地)は、大半が粗くて緻密でないため、表面につややかな低温釉薬が施されていても水が浸透しやすく、叩くと鈍い音がします。古代中国において、陶器は建築材、副葬品の明器、食べ物の漬け込みなどに使用されてきました。磁器はカオリン類のきめ細かな磁土で作られ、表面にはガラス質の滑らかな釉薬が塗られます。高温で焼成され、叩くと高く澄んだ音がします。中国は磁土が豊富なため、早くから磁器の奥深い素晴らしさを見出し、青磁や白磁などが製作されるようになったほか、各種釉下彩、釉上彩などの色付け、彫刻、型押し模様、貼り付けなど多様な装飾も発展させました。その多くは、飲食器、保存器、置物や賞玩器のほか、祭祀器や礼儀器としても用いられました。
陶磁器に施された釉薬は、火による焼結により、長い時を経ても風化や侵食しないため、古代遺跡の中からも陶磁器の残片が多数見つかっており、人類の文化の軌跡を記録しています。研究者も焼造の痕跡から、異なる時代と地域の陶磁器の製作技術を解明する手掛かりを得ています。
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