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祀と戎-殷・周一族の器と兵器

 銅器に鋳刻された銘文は殷前期に初めて現れました。簡単な銘記で、製作者の家柄を示す図象標識と祀る祖先の名を刻みました。青銅礼器はしっかりと身分を証明しているのです。

 「族名」で結ばれた一族の祭器は、殷、周時代の「祀」の厳粛さと一族が時の朝廷より、いかに寵愛と信頼を受けていたかを物語っています。殷晩期の「亜醜」一族の銅器、「亜禽」銅尊と璽印、更に、西周早期の献侯鼎と敕聿鼎の「天黽」、西周中期の周壷と周乎卣の「周」は、祖先を祭り、子孫に希望を託すと同時に、器の製作者が功を立て、大きな栄誉を獲得した無限の喜びをも伝えています。

 もし「祀」が時間の上の古今生死の対話とするならば、「戎」は空間に於ける敵、味方の生死の戦いと言えるでしょう。

 干・戈・斧・鉞等の兵器は、当時の生死をかけた戦いを実際に使用されただけでなく、戦に先立ち、神の加護を求めるために行われる祭祀では、「礼器」として古今を跨いだ生死の対話にも用いられました。

 「国家の大事」の舞台において、「兵器」は不可欠な存在です。

 これらの精緻な銅や玉の兵器は、使用者の崇高な身分を象徴し、戦功を称え鋳器に刻まれた銘文は、正に「祀」と「戎」が歴史舞台において発する「セリフ」なのです。

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  • 殷後期 鳥文戈

    • 購銅204
    • 長さ32cm
  • 殷後期 嵌綠松石獣面文鉞

    • 購銅107
    • 長さ20cm
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