繁華絢爛-春秋~戦国の銅器
春秋戦国時代、中央は衰え、列国が立ち上がりました。新たな統治階級と文化が続いて興り、青銅器の発展も一つの新しい段階に突入しました。
中央の権威の衰退により、西周時代に一時栄えた王臣の器は、次第に消失し、これに取って代わったのが列国で製作された銅器でした。そして新興の軍功貴族や商いを営む富豪たちは、銅器の装飾と技巧を一層重視しました。殷周以来の荘厳で慎み深く穏やかだった文様の風格は、精巧で込み入った模様に変わり、各種の象嵌、塗金等、新奇な趣の工芸が次々と表れ、優美で華麗な芸術効果を生みだしました。銅器の製作は実用性と功利性を兼備しており、物に製造者名を刻み込む「物勒工銘」の銘文形式も、管理制度に対しての重視を意味しています。
これらの種々の変化を観るに、青銅器の重要性は徐々に弱まって行ったとは言え、その絢爛な輝きは、人の目を奪って止みませんでした。